2010年1月
アトピーとは
アトピー性皮膚炎と通常の皮膚炎がどう違うかというとアトピー性皮膚炎がアレルギー反応により起こる皮膚炎だということです。しかしながら、そう単純にアレルギーだけが原因だとはいいきれないこともまた事実なのです。
つまり、ただのアレルギー反応ではなく遺伝的要因や環境的要因などが複雑にからみあってアトピーは発症するのです。
アトピー性皮膚炎は、幼児期に症状を現すことが多く、季節の節目などで良くなったり、悪くなったりを繰り返し、長期間続く皮膚炎であるのが事実です。
現代社会にあっては大人になってから症状が現れる例も増加の一途をたどっていることもしっておきましょう
アトピーの原因~総論
アトピーの発症の原因は明確ではありません。しかし蕁麻疹(じんましん)などの即時型アレルギーと薬物アレルギー、金属アレルギーに代表されるような遅延型アレルギーが複雑に関与していると一般的には考えられています。
そしてアトピーを発症する人の多くにあてはまるのですが、実はもともとアレルギー疾患(アレルギー性鼻炎など)を持っている場合や自分の家族の中で自分以外にアトピーを発症している場合が多いことから、遺伝的な要因が関係していると考えられています。
また
①遺伝病のように特定の遺伝子が発症を決定的にしているものでもないこと
②発展途上国において近代化に伴い急激にアトピー患者が増えている事
③生活環境の変化によって症状が悪化したりする事
などから、遺伝子的な要因だけでなく環境的な要因も大きく関与していると考えられています。
アトピーの原因~遺伝的要因
アトピーが遺伝的な要素を含む事はわかっているのですが、では一体どれくらいの割合で遺伝するのでしょうか。
統計上は片親にアトピー体質があった場合、それが子供に出る確率は約3割。両親ともアトピー体質だと約7割の子供がアトピー体質になってしまいます。
これは非常に高い確率であるといえます。
しかし、これだけではアトピーは説明できないのです。
なぜなら両親や祖父母にアトピー性皮膚炎になった人がいないのに、子供にだけ症状があらわれるといったケースがあるからです。
このような遺伝の仕方を「劣性遺伝」といいます。アトピー体質の遺伝には、こうしたいくつものパターンが複雑に組み合わさっていると考えられており、一義的にどうだと断定できないのが現状です。
またアトピー体質だからといっても必ずしも発症するとは限りません。体質と発症は違いますので。
念のため。
そう考えると同じ遺伝子をもっているのに片方は発症し、他方は発症しない場合があるのはそれ以外の要素、つまり環境的な要因が大きく関係していることを証明することにもなります。
アトピーの原因~環境的要因
アトピー性皮膚炎は遺伝的要素と環境的要素によって発症すると言われています。
それでは具体的にどのような環境的要素がアトピー発症・悪化の原因となっているのでしょうか。
まず毎日食べるご飯がアレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因となるもの)となっている場合が考えられます。
このことからどの食べ物に対して体が拒否反応をしめしているのかを把握する事が大切です。
またダニ・ハウスダストなどのアレルゲンが、症状の悪化を招いています。
そしてただでさえ痒いなどの症状が出ている部位に細菌などが入り込むと更に症状が悪化したりします。
また入浴時の石鹸が皮膚には強すぎたり、ストレスや治療薬であるステロイド剤の使用が逆効果になり症状を悪化させる場合も考えられます。
このようにアトピー性皮膚炎を発症、ないしは悪化させる環境的な要因は多岐に渡るのです。
アトピーの症状~総論
アトピーの症状はかゆみを伴った湿疹が中心となります。つまり大別するとかゆみと湿疹にわかれます。
最初は皮膚が赤くなり、水ぶくれやブツブツが体中のところどころにできます。
頭皮や顔、肘の内側、膝の一側、腰のあたりなどいたるところでできます。
もちろん個人差が激しく、全身に出る人もいればからだの一部分しか出ない人もいます。
そして激しいかゆみをともないついついかいてしまうとジュクジュクして更にもっとかゆくなります。
いくらかかないで我慢していても寝ている間に知らずにかいてしまったりします。
そして症状が慢性化すると皮膚がごわぼわと分厚くなります。まるで象の皮膚みたいにです。
また色素沈着も見られるようになります。
アトピーの症状~かゆみ
アトピーの最大の症状は、激しいかゆみです。かかなくても辛いですし、かくとよけいかゆくなるので睡眠不足など日常生活に支障をきたす場合もあります。
またかくと余計にかゆくなるので我慢していてもあまりにもかゆいために寝ている間に無意識のうちに掻き毟ったりしてしまします。
かくことにより、皮膚は更に傷つけられ細菌や汚れが進入して、さらにひどい湿疹になってしまいます。
このようなひどい状況を回避する為にも炎症を改善してかゆみを抑える治療を行う必要があるのです。
治療法は色々あるのですがそれは別項にて紹介したいと思います。
アトピーの症状~湿疹
アトピーの湿疹はおでこアトピー性皮膚炎による湿疹は、おでこ、目・耳・口のまわり、唇、首、手足の関節の内側、胴体などにでき、左右対称にそれが確認できるのが典型的なパターンです。
そして湿疹の現れた皮膚は、かさかさしたりジュクジュクしたりした状態になります。
湿疹のでかたは特徴的なのでわかりやすいといえるでしょう。
アトピーの検査~診断前に
アトピー性皮膚炎かもしれないと思ったら、すぐに病院で検査を受けましょう。そしてアトピーと診断された場合にはその原因を解明するようにしましょう。
アトピー性皮膚炎を治療する上で一番重要なことはその原因をつきとめることです。
なぜなら原因をつきとめることこそがアトピー性皮膚炎を早期に改善、治療することにつながるからです。
ちなみに病院でアトピーの診断をすると様々なことを聞かれます。
その具体例を一部紹介したいと思います。
まずどんなときにかゆくなるのか聞かれます。そして体のどの部位がかゆくなるか、食べ物によってかゆみが発生することがあるか、またその食べ物は何か、かゆみに季節的なものがあるか、家族にもアトピー性皮膚炎の人がいるか、また家族に花粉症などのアレルギー体質の人が家族にいるかなどがきかれます。
上記事項が聞かれますので、前もってしっかりと準備し、正確に医者に伝えられるようにしましょう。
何度もいうことですがアトピーの原因を突き止める事こそ、早期改善につながる重要なことなのです。
アトピーの検査~血液検査
アトピーの検査法も何種類かありますが、今回は血液検査について解説をしたいと思います。血液検査を行う事によってアトピーの原因を解明していきます。
好酸球の数、IgE値、IgE-RASTを診断します。
好酸球の数についてですが、好酸球という白血球の数を調べます。アトピーの人は、好酸球の数が多い傾向にあります。
そしてIgE値ですが、免疫に関わるたん白質で、アトピーの人はこのたん白質の数値が増えます。IgE値の診断からは「アレルギー反応」を起こしやすい体質なのかが大よその目安として分かります。
一般的に総IgE値は100~200程度ですが、これ以上になると「アレルギー反応」を起こしやすい体質という事になります。
もっともこれらの数値はアレルギー反応を起こしやすいか、どうかを調べる為のもので、数値が高いからといって、必ずしも症状が重度であるという訳ではありませんし逆に数値が低くても重症化してしまうアトピー性皮膚炎もあるのです。
念のため覚えておきましょう。
最後にIgE-RASTですが、原因と思われるアレルギー物質に対して、陽性か陰性か判断する指数です。数値(0.7以上)が高いと陽性ということになります。
アトピーの検査~皮膚検査
今回は皮膚テストであるスクラッチテストとパッチテストについて解説を加えたいと思います。
・スクラッチテスト
皮膚テストの一種で、針先などで腕に小さな傷を付けて、そこにアレルギーの原因と思われる物質の入った液体を落とし、その反応を調べるテストをいいます。15分ほど待ってから、皮膚の状態を観察し、赤くなったり、痒くなったりのアレルギー反応がでれば、先ほど使用した液体、その中の物質がアレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因となるもの)と考えられるのです。
・パッチテスト
即時型アレルギー(例:蕁麻疹)を調べる「スクラッチテスト」に対して、こちらの「パッチテスト」は遅延型アレルギー(例:金属アレルギー)についてのアレルゲンを特定する為の検査です。反応が現れるのに2日から5日かかるのが特徴で、その理由から「遅延型のアレルギー反応」といわれているのです。
テストの方法としては、アレルゲンを湿らせた布などを、比較的害が少なく、すぐに洗い流せる腕の内側などに貼り付ける方法で、反応が現れるまで2~3日待ってから、その布を貼り付けた部分の皮膚を調べます。
数日間後に赤くなった場合は、皮膚に付けた物質がアトピー性皮膚炎の原因と考えられます。
このテストの難点は反応が現れるまでに時間がかかる点と、その間は、アレルギー反応が起き「痒み」が酷くても、我慢するしかない点があげられます。